円は本当に避難通貨でありえるのか

米ドル/円相場は、8月19日のニューヨーク市場で1ドル=75円95銭の史上最高値をつけるなど、円高が続いています。輸出企業にとって円高は逆風となるため、世間では円高をネガティブにとらえた報道がなされていますが、通貨が強いということは一方で、大きな外貨投資のチャンスともいえます。今後どこまで円高が進むのかを予測することはむずかしい問題ですが、現状が「歴史的な機会」であることだけは間違いありませんから、FXをする上で何とか上手な対応法をとりたいところです。

「円は避難通貨」という見方は間違っている

現在の為替の動きをみると、一見、円が買われているように見えるが、その実体に目を移すと、必ずしも円がまっとうに買われているわけではない。

 

米国では7月中、債務上限の引き上げ問題で揉めに揉め、8月2日に上下両院で可決されたものの、米国国債の格下げが行なわれたことから米ドル売りが加速した。あるいは、ユーロ圏においてギリシヤ問題を解決するための糸口が見つからず、ユーロも売られている。こうしたことから、「円は避難通貨だ」という発想から円買いが進んだといわれているが、それは誤解だ。第一、円に資金が流れ込んでいる理由を、合理的に説明することができない。

 

いま誰が円を積極的に買っているというのだろうか。たしかに投機筋のお金は流れているが、少なくとも実需筋のお金は流れていない。日本の銀行が米国国債を売って、円資金を調達しているのであれば、米ドルは売られるが、そのような動きはどこにも見られない。

 

つまり、そもそも日本の銀行はドル調達で米国国債を買っているのだから、売ればドルの借金を返すだけだ。現在の動きは「一部の投機筋が米ドル売りのポジションで利益を得るため、さまざまな理由をくっつけて市場のドル売りの米ドル売りを加速させようとしている」だけの話である。

 

あくまでも投機的な動きに過ぎないので、米ドル売りの流れが逆転するのも時間の問題である。

 

現状は日本にとって第二の敗戦「国債の未達」に注目せよ

私は3・11の大震災をきっかけにして、日本経済は、第二の敗戦、経済的敗戦に追い込まれると考えている。

 

ちなみに第一の敗戦は、1945年8月15日だ。あのとき何か起こったのかというと、軍国主義から民主主義へという、政治思想の大転換が起こり、農地改革、財閥解体が行なわれた。それと同じくらいのマグニチュードを持った大転換が、大震災をきっかけにして、まさにこれから起こるのではないかと考えている。

 

その第二の敗戦は「国債の未達」によって明らかになるだろう。日本国債は毎月、入札が行なわれ、さまざまな投資家に販売されている。国債の未達とは、この入札時に、必要とされる額の応札がないという状態のことだ。入札額に対して応札額が下回ったら、日本政府は国債発行による資金調達が円滑に進まなくなる。仮に、そのような状態に陥ったら、いままで経験したことがないような、とてつもないトリプル安が起こるだろう。すなわち、株安、債券安、円安だ。

 

それは、極めて深刻な社会的混乱をもたらすことになる。典型的なところでは、銀行の取り付け騒動だ。これが現実化すると、日銀が銀行に対して現金をばらまくことになるだろう。どうやってお金をばらまくのかというと、日銀が政府から国債を買い上げる形で行なわれる。こうして日銀から政府にお金が渡る。

 

それと同時に、民間金融機関にもお金をばらまく。このようにして、大量の現金が世の中に出回ることになるわけだから、結果的にものすごいインフレが襲ってくる。そしてインフレというのは、お金の価値が下がることと同じ意味だから、日本においては円の価値が下がる。すなわち円安が加速するというわけだ。

 

その解説方法は次項(むかって左サイドバー)にて紹介したい。

 

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